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2013.10.15

半田赤レンガ建物

愛知県半田市の半田赤レンガ建物を見学してきました。

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半田赤レンガ建物は1898年(明治31年) 竣工、丸三麦酒のカブトビール醸造工場だった建築物で、国有形登録文化財・近代産業遺産に指定されています。

この赤レンガ建物は普段は公開されていないのですが、来年度に耐震補強改修工事が実施されるため、工事前の姿を見学するイベントとして一般公開されたもので、予定では2015年春に常時公開の観光施設となるそうです。

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カブトビールは戦前の東海地方で最大のシェアを占めていたビールブランドでしたが、1933年(昭和8年) に大日本麦酒(現アサヒ・サッポロ) と合併、太平洋戦争中に工場は中島飛行機の衣糧倉庫に転換されカブトビールの醸造は終了しました。

酒造の近代史は、明治末期の動乱による酒税課税の影響や政府主導の業界再編などがあったりしてなかなかに複雑です。 札幌麦酒(サッポロ)、日本麦酒(ヱビス=サッポロ)、大阪麦酒(アサヒ) が合併・分割された経緯なんてのも調べてみると面白そうですね。

あそこには、カブトのエンブレムが取り付けられていたのかな?

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左側に見えるこの窪みは、戦時中の米軍P-51戦闘機による機銃掃射の弾痕です。

目立つ赤レンガは良い標的だったのかしらん。

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12.7mm重機関銃は、自衛隊を含む世界の軍隊で現役使用されている武装。
対物兵器なので人間に当たれば木っ端微塵です・・・

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酒造工場は温度管理が命、ということで断熱構造の壁で保温性を高めています。

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カブトビールは1900年(明治33年) のパリ万国博覧会で金賞を受賞したビール。

現在では幻のビールとなってしまいましたが、半田の市民グループ『赤煉瓦倶楽部半田』さんの手によって、当時の文献を参考に醸造したカブトビールが復刻されています。

この復刻ビールは今のところ少量生産しかされておらず、このときは完売御礼で入手できませんでした。 (´・ω・) 

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半田の地は、江戸時代より酒・味噌・醤油の醸造が盛んな土地であり、酢で有名なミツカンの本拠地でもあります。


建物内にはパネル展示がされています。

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当時の工場レイアウトを想像してしまうのはプロダクト系エンジニアの習性なのです。

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カフェーと売店。

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地ビールは1994年の法緩和から20年弱、各地の技術も熟成が進み、美味しいビールが至る所で醸造されて旅の楽しみが増えるというものです♪

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リニューアルしたらまた来ようと思います。
手袋ならぬ、ビールを買いに。

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