北海道・青森岩手行 06 (宗谷本線)
そろそろ列車の時間の時間なので、稚内駅に戻ります。
ここが最北端の線路。
1615発のスーパー宗谷4号の到着です。
この線路が最南端の鹿児島、指宿(いぶすき)枕崎線の西大山駅まで繋がっているかと思うと・・・
で、稚内ともお別れです。
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サロベツ原野を走るスーパー宗谷。 利尻富士が見えます。
牧場に開拓されてる所もありますが、ひたすら原野。
列車最後尾から。 地平線までの直線レール。
豊富駅で特急サロベツとすれ違います。
豊富~幌延で線路は内陸へ、利尻富士ともお別れです。
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留萌・上川支庁境の歌内(うたない)駅。
運良く通過駅を撮影できましたが、これを遙かに上回る秘境駅が多数存在します。 恐るべし宗谷本線。
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アイヌ語地名について
気づいている方もおられるかと思いますが、北海道や北東北には歌内・稚内・木古内などの『~ナイ』 という地名が非常に多く見られます。 これはアイヌ語で 『川』 を意味します。 また、浜頓別・士別・登別・紋別などの 『~ペッ』 も同様に 『川』 の意。
天塩中川~音威子府の山間部。 木が生えていない部分は多分伐採されて天塩川から船で運ばれたのであろうと推測。
この直後、列車がエゾシカ遭遇のため急ブレーキ&警笛連発・・・
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1848音威子府駅到着。 超都会です。
1935名寄駅到着。 言っときますが、超都会です。
このあたりの都市間は比喩でなく本当に何も無いので、江戸期の五街道における宿場町ってのはこんな感じだったのかと想像してしまいます。
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高感度でも流れちゃって訳が分かりませんが、列車最後尾から撮った塩狩駅。 行きも帰りも夜だったんで、ちゃんと見られなくて残念。
以上、宗谷本線オモシロかったです。 これは乗り鉄おすすめ路線。
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アイヌに興味を持たれた方は、岩波文庫の 『アイヌ神謡集(知里幸惠編訳)』 をおすすめします。
『銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに』
19歳で夭折したアイヌの娘・知里幸惠が金田一京助の協力の下に、ユーカラ(アイヌの神話・叙事詩) をコタン(村)のエカシ(長老)から記録し、日本語に翻訳したものです。
アイヌは文字を持たない民族であったため、この書は言語学・民俗学的観点から非常に貴重なものであります。
また、彼女は非常に優れた文学的才能持った女性であったと私は思います。 それはおそらく、序文を読むだけで多くの人がそれと知れるのではないでしょうか。
序文の一部を引用
『冬の陸には林野をおおう深雪を蹴って、天地を凍らす寒気を物ともせず山又山をふみ越えて熊を狩り、夏の海には涼風泳ぐみどりの波、白い鴎の歌をともに木の葉の様な小舟を浮べてひねもす魚を漁り、花咲く春は軟らかな陽の光を浴びて、永久に囀る小鳥と共に歌い暮して蕗とり蓬摘み、紅葉の秋は野分に穂揃うすすきをわけて、宵まで鮭とる篝も消え、谷間に友呼ぶ鹿の音を外に、円かな月に夢を結ぶ。嗚呼なんという楽しい生活でしょう。』
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2028、今夜の宿 旭川に到着。
北海道の特急は名前がカッコイイぜ。
スーパーカムイがホームに入ってきました。
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ついでに、網走発2059着のオホーツク8号を撮り鉄しようと思ったら、
『オホーツク8号は鹿と接触のため15分の遅れが発生しております』
・・・エゾシカはJR北海道の天敵らしい。
オホーツクも見物したし、さっさとホテルへ向かいます。
つづく。